お寺は子どもたちの遊び場でもあり、老若男女が集う交流の場という側面ももっていました。また、“駆け込み寺”という言葉があるように「困ったときはお寺に行けば守ってくれる」といった人々の心の強い支えであり、救いの場でもあったのです。
悩みの種類は世代によっても異なるでしょう。お年寄りなら健康の問題、若い人なら仕事や人間関係が中心かもしれません。そうした人生における様々な悩みや迷いが、ここに来ればなんとかなる。そう思えるような、心の支えとなる場にしたい。人間関係が希薄になっている昨今、私はさらにその思いを強くしています。
いろいろな立場、性格の老若男女が気軽にふらりと立ち寄って、学び交流し、心の支えとなるお寺。
640年近くにわたり当地で愛されてきた本円寺を、そんな集いの空間にしたい。
それが私の理想であり、心からの願いであり、世界の全体が幸せになる為の方法の一つでもあると想うのです。
本円寺第三十九世現住職 草切榮隆