お知らせ

新しい年を迎えました!

こんにちは、こちらは慈悲の心と人の縁を、千葉市から伝え広めるお寺 日蓮宗 本円寺のブログです。

新しい年を迎えました、平成28年です!
ご家庭によっては祝詞を控えなければいけないこともあるかと思いますので、
この場でも祝詞を述べるのは遠慮しとこうと思います。
厳密には新しい年を迎えたというのも祝詞の一つかもしれませんが、その辺は勘弁してください。

本日は午前11時より祝祷会という法要を営みました。
新しい年を迎え、今年1年の無事を祈る法要です。
参加者全員で歌(佛の国をたたえる歌)を歌ったり、お経をあげたりしてとても楽しい法要でした。

ここで、新年祝祷会でお話しした法話をお載せいたします。

お正月の言葉
― 徒 然 草 第 十 九 段 よ り ―

原文
晦日(づごもり)の夜、いたう闇きに、松どもともして、夜半過ぐるまで、人の、門叩き、走りありきて、何事にかあらん、ことことしくのゝしりて、足を空に惑ふが、暁がたより、さすがに音なくなりぬるこそ、年の名残も心ぼそけれ。亡き人のくる夜とて、魂祭るわざは、このごろ都にはなきを、東のかたには、なほする事にてありしこそ、あはれなりしか。
かくて明けゆく空のけしき、昨日に変りたりとは見えねど、ひきかへめづらしき心地ぞする。大路のさま、松立てわたして、はなやかにうれしげなるこそ、またあはれなれ

解釈
大晦日の晩のこと、深夜だというのに真っ暗い中を松明持った人があちこちの門を叩き、落ち着かない様子で走り回っている。
いったい何事だろうか、喧嘩でもしているような声だ。罵る声、走る足音。さすがに明け方には静かになった。
静けさを増すにつれ、去りにし行く年の名残を感じ、少し心細くなりもする。
亡き人の魂が帰って来るのだといって霊を祀るという昔からの佛事は、近頃都ではめっきり見かけなくなったけど、
東の地域ではまだ残っていると聞いたことがある。趣があって、とてもいいものだろう。
このようにして明けていく空の様子は昨日と何も変ってないように見えるけれど、それでも気持ち改まり、清々しい心もちになる。
通りには松かざりが立ち連ねられ、晴れ晴れしい気持ちになるのも、これまたいいものだなあ。

平成二十八年 正 月 法話

大晦日の夜。騒がしく、そして静けさの中に一年を振り返るとなんとも寂しい気持ちになることがあります。
良かった事、反省しなければいけなかった事、出来た事、出来なかった事。
落ち着いて考えれば考えるほど、たくさんの思いが頭の中を駆け巡ります。
元日を目の前にして、少しずつ過ぎ去っていく過去を、心から感じているのです。

そしてお正月。なんとなく新しい気持ちになるのは、数時間前の自分から新たな自分に生まれ変わったからとも言えるでしょう。
「一年の計は元旦にあり」
今日のこの日の心もちを、なるべく長く保っていただければより良い一年になることでしょう。
住職も一緒に頑張ります。

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