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第20回 写経の会の法話

こんにちは、こちらは慈悲の心と人の縁を、千葉市から伝え広めるお寺 日蓮宗 本円寺のブログです。
今回は第20回 写経の会にてお配りした教箋と、お話しした内容についてお書きします。

欲令衆(よくりょうしゅう)訳
もろもろの仏は、
すべての人々が本来そなえている仏の智慧を開かせて、煩悩のけがれをとりさって清浄にするために、この世に出現なされました。
すべての人々に仏の智慧を示そうとして、この世に出現なされました。
すべての人々に、仏の智慧を悟らせようとして、この世に出現なされました。
すべての人々を、仏の智慧の道に導き入れようとして、この世に出現なされました。
舎利弗よ、これを、もろもろの仏が、ただ一大事の因縁があるからこそ、この世に出現されたというのであります。

この世は欲望が盛んであり、生死の苦しみに満ちています。一時も、安らかになる事がありません。
それはまるで、ぼうぼうと燃えさかる家のようであります。
さまざまな苦しみが、いたるところに満ちております。
この世ほど怖い所はなく、人々は恐れおののかないではいられません。
つねに、生・老・病・死の四つの苦しみに憂え、煩っております。
それは燃えさかる火が、ますます燃え上がって、消えることなく燃え続けるようなものであります。
しかし仏はすでに、煩悩の燃えさかる家のようなこの世の苦しみや迷いから離れて、心静かに清浄で安らかな悟りの世界に住んでおられます。
それは、閑静な林や野原に安らかに住んでいるようなものであります。
けれども今、すべての人々が憂い苦しんでいるこの世は、全て仏である私がおさめているものなのであります。
この世の中で苦しみ、悩んでいるすべての人々は、ことごとく仏である私の子どもたちなのであります。
しかも、さまざまな煩いや多くの困難がふりそそぐ今のこの世を、ただ仏である私一人だけが、よく救い導き、護っているのです。

私は、僧と尼僧と清らかに信仰している男女の信徒を遣わして、仏の教えを修行しひろめて仏の道を歩んでいるものを供養させ、
さまざまな人々を仏の道に導き入れ、これらの人々を集めて、仏の教えを聞かせようとしているのです。
もし人が、悪い心をおこして刀や杖でふりかかってきたり、瓦や石を投げつけて危害を加えようとしたならば、
すぐさま人の姿に身を変えた使いを遣わして、仏の教えを信じ広めるものを護り通すのです。

このように仏が語られた時、宝塔の中より大変大きな声を出して、多宝如来はこう褒め讃えられました。
すばらしい。まことにすばらしい、釈迦牟尼世尊よ。
よくぞ平等で大きな智慧を具え、身と心をささげて仏の教えを広める菩薩のための教えであり、
仏が護り念ずる妙法蓮華経を広くあらゆる人びとに説かれました。

平成二十七年四月 写経の会(第二十回目) 法 話

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