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第5回 写経の会の法話

こんにちは、こちらは慈悲の心と人の縁を、千葉市から伝え広めるお寺 日蓮宗 本円寺のブログです。
今回は第5回 写経の会にてお配りした教箋と、お話しした内容についてお書きします。

法華七喩(ほっけしちゆ)の一
三 車 火 宅(さんしゃかたく) 【譬 喩 品】
お釈迦様はこう話されました。昔ある国に長者がいました。大変な財産家で、田畑や邸宅、召し使い等を数多く所有していました。その中には五百人もの人が住んでいて、長者の子供だけでも三十人はおりました。しかしその邸宅は古く朽ちはて、柱はいたみ、垣根はくずれ、梁は傾いていました。また、多くの虫や鳥獣・鬼などが気付かれないように住みついておりました。
ある日のこと、長者の外出中に家のあちこちで火災が起こり、たちまち燃え広がりました。しかし子供たちは中で遊びほうけていて、火事であることに気づきませんでした。帰ってきた長者は、大火を目の当たりにして「早く外に出るのだ。」と叫びましたが、遊びに夢中になっている子供達は父の言葉など一向に耳に入らず、ただ家の中を走り廻って遊んでいるだけです。
長者はとっさに「ここにお前達の大好きなおもちゃの車があるよ、羊の車、鹿の車、牛の車だよ。いまのうちに取りにこないと無くなるよ。早く外に出れば順番に好きなものをあげるよ。」と大声で叫びました。
これを聞くと、子供達は競い合って外へ出ました。外に出た子供達は口々に「車のおもちゃはどこ。」とせがみますが、長者はおもちゃの乗り物ではなく、金銀銅で飾られた目も眩むような素晴らしい大きな白い牛の車を与え、子供達をそれに乗せると安全な所に避難したということです。
ここに説かれている長者とはお釈迦様、子供達は煩悩具足の私達衆生、そして燃えさかっている火宅は、この世界のことを指しております。
長者が子どもたちに呼びかけているおもちゃ、「羊の車」は声聞、「鹿の車」は縁覚、そして「牛の車」は菩薩を意味しており、長者の声に誘われて外に出て見た立派な大きな白い牛の車は、一乗の佛道を意味しております。
この譬喩が説いているのは、三乗、即ち小乗(声聞・縁覚・菩薩)の佛道は、迷える衆生を火宅より救うための方便であり、本当の救いは一乗、即ち大乗の佛道に他ならないということであります
平成二十六年一月 写経の会(第五回目) 法 話

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内容
気付かない、忘れたふりして過ごすことも多いものです。
身近に例えると、夏休みの宿題みたいなものでしょうかね。
客観的に自らを見ることが大切ですね。